コンテンツ制作における「ターゲット」とは
Webサイトや動画制作、サムネイルの作成に限らず、広告、商品開発、SNS投稿など、あらゆる分野でコンテンツを作る際は、まずターゲットを明確にすることで誰に届けたいのかを最初に意識します。伝え方やデザイン、内容の方向性がぶれず、より効果的な成果につなげることができます。
これから説明するポイントを踏まえてこれから制作していきましょう✨
ターゲット=「おおまかな顧客層」
「30代前半。仕事も家庭も忙しいが、自分らしさを大切にしたい女性」
「40代前半。仕事のストレスを解消しつつ、落ち着いた空間で趣味の話を楽しみたい男性」etc…
ターゲットを意識するときは、常に次の3つを考える
誰に見てもらいたいか
どんな気持ちで見てもらいたいか
どんな場面で見てもらいたいか
ただし、ターゲットの絞り方は、作成するコンテンツの場面や目的によって柔軟に変えることが大切です。
似ている概念に「ペルソナ」があります。ペルソナは、ターゲットの中から設定する具体的な架空の人物像で、
ペルソナを設定することで、「誰に」「どんな気持ちで」「どんな場面で」届けるのかをより明確にでき、ユーザーに響くコンテンツが作れます。
デザインでターゲット設定が必要な場面とは?
🎯ターゲット設定が「必須」なデザイン
目的が「人に伝える」「人に動いてもらう」ものである場合。
- 広告デザイン(ポスター・バナー・CMなど)
→ 誰に訴求するかで内容・色・トーンが大きく変わる。 - Webサイト/UIデザイン
→ 利用者層(年齢・目的・デバイス)で構成や操作性が変わる。 - パッケージデザイン
→ 購買者層や売り場環境に最適化する必要がある。 - ブランドロゴ・VIデザイン
→ ブランドの個性を伝える対象(市場・顧客)を想定する。 - プロモーション系グラフィック
→ メッセージやビジュアルの方向性がターゲット依存。
🌐ターゲット設定が「必須ではない」または「弱い」デザイン
目的が「表現」や「探索」に重きを置く場合。
- アート寄りのデザイン(アートポスター、実験的グラフィック)
→ 作者の表現やコンセプト重視。必ずしも誰かに届ける目的でない。 - コンセプトデザイン(未来ビジョンや研究段階の案)
→ 特定の顧客よりも、可能性やアイデアの提示が目的。 - 汎用的なインフラデザイン(道路標識、ユニバーサルUI)
→ 特定ターゲットではなく、「誰でも理解できる」ことを優先。 - 素材・テンプレート系デザイン
→ 使う人が後でターゲットを決めるため、初期段階では広めに設計。
ターゲット絞りが必要なコンテンツの場合、下記表に当てはめて進めていきましょう!!
↓
使い方と具体例
①デモグラフィック(基本属性)
・年齢
・性別
・居住地
・職業・収入
・家族構成
ターゲットを絞り込む際は、まず「デモグラフィック」を把握する必要があります。
左に記載している要素は、その人の生活環境や社会的立場を知るための基礎データです。たとえば同じ製品やサービスでも、20代と40代では感じ方も求める価値も異なります。
こうした基本的な属性を明確にすることで、デザインのトーンや表現の方向性が定まっていきます。
②サイコグラフィック(心理・価値観)
・ライフスタイル
・興味・関心
・悩み・願望
・SNSの使い方
・ブランドへの価値観
「サイコグラフィック」
これは、数字では測れない内面的な特徴、つまりその人のライフスタイル、興味や関心、悩みや願望、SNSの使い方、そしてブランドへの価値観などを指します。同じ年齢や性別でも、どのような生き方をしているか、どんなことに共感するかによって、響くデザインは大きく変わります。例えば、環境意識の高い人にはサステナブルな世界観を、忙しいビジネスパーソンには効率性や信頼感を訴えるデザインが有効です。デザイナーは、ターゲットの心の中にある価値観を想像し、その人にとって「意味のある表現」を目指す必要があります。
③行動データ(行動特性)
・どのメディアを使うか
・どの時間帯に行動するか
・何を比較して選ぶか
実際の「行動データ」も欠かせません。ターゲットがどんなメディアを使い、どの時間帯に情報を得ているのか、何を比較して選択しているのかを知ることで、最も効果的な接点を見つけ出すことができます。たとえば、若年層が主にSNSから情報を得ているなら、スマホ画面での見やすさや投稿ビジュアルの印象が重視されます。
一方で、ビジネス層が情報サイトやメールを通して行動する場合には、信頼性や機能的なレイアウトが重要になります。
誰に届けるかが、うまくいくコツ
ターゲットを明確にすることは、コンテンツ制作における最も基本でありながら、成果を左右する重要な要素です。
「この情報を誰に届けたいのか」を意識することで、言葉の選び方や構成、デザインの方向性が自然と定まり、伝えたいメッセージをより効果的に届けられるようになります。
たとえば、「忙しく働く30代女性」と「趣味を楽しむ40代男性」では、共感を生む表現も、求められる情報の深さも大きく異なります。
ターゲットを絞るという行為は、コンテンツに一貫性と温度を持たせるためにも、制作前には必ず「これは誰に、どんな思いで届けたいのか」を明確にすれば良いコンテンツへと繋がっていくはずです。

